2022/06/26【サル痘ウイルス】WHO、サル痘の「緊急事態宣言」見送る 47カ国で3040人感染 /WHO
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は25日、動物由来のウイルス感染症「サル痘」について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)の宣言を見送るとの声明を発表した。
緊急事態宣言は、WHOが出す最高レベルの警戒勧告。2020年1月30日には、新型コロナウイルス感染症にも出された。
WHOが25日に公表した専門家による緊急委員会の報告書では、これまでに47カ国で3040人の感染が確認された。感染者の大半が同性との性交渉を持つ男性だった。今後、感染者数の著しい増加や国際的な広がり、妊婦や子供の感染増加などが見られた場合は、宣言を出すかどうか再度検討する必要があるとした。
サル痘は従来、アフリカ中西部の国々で流行を繰り返してきた。アフリカ以外ではこれまで感染例はほとんどなかったが、今年5月以降、欧米を中心に拡大。テドロス氏は地理的に大きく隔たる地域で同時に感染が多発する状況について「ウイルスが異常な動きを示している」と懸念を強め、専門家による緊急委員会を23日に招集していた。