2020/01/27【新型コロナウイルス】新型肺炎 武漢市長「患者数は近く1000人前後増える可能性」 /中国
新型コロナウイルスの感染が拡大する中国で、最も感染が深刻な湖北省武漢の市長は26日夜、患者の数が近くさらに1000人前後増える可能性があると明らかにしました。中国の保健当局は、軽い症状の患者もいることが予防対策を難しくしていると指摘し、感染拡大を抑え込めるか不透明な情勢が続いています。
中国の保健当局によりますと、新型コロナウイルスの肺炎による患者の数は、武漢を中心に1975人、死亡した人は56人に上っています。
患者は中国本土以外の13の国と地域でも確認されていて、患者の数は、世界全体で2000人を超えています。
武漢市の周先旺市長は26日夜にマスク姿で記者会見し「武漢ではまだ2700人余りの患者が検査結果を待っており、患者の数は近くさらに1000人前後増える可能性がある」と述べ、中国全土で近く患者の数が3000人を超える可能性があることを明らかにしました。
新病院建設や移動制限で対策も…
中国メディアによりますと、急増する患者を受け入れるため、武漢では急きょ建設中の専門の病院とは別に2つ目の新たな病院の建設も始まり、来月初めに2つの病院の運用を開始すれば合わせておよそ2000人の患者が入院できるようになるということです。
感染の拡大を防ごうと、中国政府は27日から海外への団体旅行を当面中止するほか、国内各地の観光地の閉鎖や長距離バスの運休など、人の移動を抑える対策を次々に打ち出しています。
しかし中国政府の保健当局は26日の記者会見で「ウイルスの感染力がやや強くなっているとみられる。症状が軽い『隠れた感染者』もいて予防対策を難しくしている」と指摘していて、感染拡大を抑え込めるか不透明な情勢が続いています。
武漢の野生動物扱う店からウイルス検出 感染源か
中国の専門機関が調査したところ、湖北省武漢の海鮮市場にある野生動物を扱う店が集中していた区域から、このウイルスが多く検出されたと国営の通信社が伝えました。
国営の新華社通信によりますと、中国疾病予防センターの専門家チームは武漢の海鮮市場で今月1日と12日の2回にわたって合わせて585のサンプルを採取しました。
検査の結果33のサンプルからウイルスが検出され、このうち31のサンプルが、野生動物を扱う店が集中していた市場の西の区域のものだったということです。
このため新華社通信はウイルスの感染源が市場で売られていた野生動物であることを示しているとしています。
中国政府 春節の連休を来月2日まで延長
中国国営の中国中央テレビによりますと、新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、中国政府は、人が集まる機会を減らし感染の拡大を押さえ込むため、春節の大型連休の期間を来月2日まで延長することを決めました。
中国では春節に合わせて今月24日から30日までの1週間を連休としていました。
https://www3.nhk.or.jp/n…/html/20200127/k10012260031000.html