感染症とは
- 2017/7/3
- 感染症ガイド
感染症とは
感染症(Infection Diseases)とは、寄生体(微生物や菌・ウイルス)が体内に侵入し、感染して増殖し発症する疾患の総称です。
感染して病気を起こす生物を病原体と呼び、寄生虫、真菌(カビ)、原虫、細菌、リケッチア、ウイルスに分類されます。寄生虫を除く病原体は病原微生物といいます。
宿主の感染に対する防御力(抵抗力)が病原体に比べて相対的に強ければ感染症は成立しません。宿主の防御力(抵抗力)が減弱している場合は、病原体の侵入、定着、増殖を許すことになり発症します。
感染による発症の有無については、宿主と寄生体の関係だけでなく、薬物による影響も関係し、薬物投与によりターゲットとなる微生物がコントロールされても、新たな薬物の効かない微生物が出現し感染・発症するものを菌交代症(Superinfection)といいます。
院内感染で問題となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症も代表的な菌交代症のひとつになります。感染症の中でも特に病原性が強く全身症状を起こし、ヒトからヒトへと感染が広がる性質を持つ場合は伝染病と呼ばれます。また、多くの死者を出すなど、社会に多大な被害をもたらした場合は、疫病と呼ばれます。
地球規模での物流や、感染症多発地帯へのビジネス・旅行者数の増加にともない、ある地域で発生した感染症が地球規模で広がってしまいます。2009年に世界的に流行した新型インフルエンザや米国で流行したウエストナイルウイルスや2016年の南米のジカウイルスは深刻な実例です。
出典:一般社団法人医療福祉検定協会 「医療環境管理士公式テキスト&問題集」より一部抜粋