真菌について
1)真菌の特徴
真菌には単細胞生物と多細胞生物があります。
真菌はカビ・キノコ・酵母の総称で、二重膜に覆われた核と小器官を持っています。真核生物の一種で、細菌(原核生物)とは異なります。
運動性や光合成はなく細胞壁を持っています。栄養は外部の有機物を分解吸収します。一倍体細胞と二倍体細胞が存在し、二倍体細胞は栄養条件が悪化すると、減数分裂を始め胞子(有性配偶子、有性胞子)を形成します。
真菌は世界に10万種以上あり、その中で病原性のもの(病原真菌)は300種程度あります。
2)真菌には3つの形状が存在
生活型として単細胞で存在する酵母型と多核細胞として菌糸状態で成長する菌糸型(カビやキノコ)があり、その総称です。
単細胞 :酵母型
多核細胞:菌糸型(カビ、キノコなど)
二形性 :酵母型と菌糸型の両方の形態
真核生物の一種で、生活型だけでなく(有性、無性など)生殖や増殖においても多様な形態をとります。
条件により酵母と菌糸の両方の形態をとるものを二形性真菌と言います。
真菌の形状(生活型)
形状が球形あるいは円筒形の単細胞で存在しているものを酵母と言います。
また、菌糸は糸状の枝分かれした形態でカビ・キノコの基本構造で、菌糸が集まったものが菌糸体と言います。
仮性菌糸とは、酵母の中でも菌種によって一定条件下で細胞が長形化し、互いに連結して菌糸状に見えるもがあります。
1:酵母型
酵母の多くは、3~5μmの球形あるいは円筒形をしています。酵母とは、生活環の一定期間において栄養体が単細胞性を示す真菌類の総称です。
2:菌糸型
一般的にカビやきのこです。
菌糸は細胞が伸びて細い糸状や円筒状の細胞が集まったもので、通常は菌糸の連結した形状(菌糸体)をしています。その成長過程で隔壁をつくるものとつくらないものとがあります。隔壁(穴が開いている)を作るものを有隔菌糸といい、隔壁を作らないものを無隔菌糸といいます。どちらも核、細胞質、小官器などは移動が可能です。
3:二形性
条件により菌糸型と酵母型の両方の形態をとるものを二形性真菌といい、病原真菌に多いです。外界で菌糸型、体内で酵母型になることが多いです。
3)真菌による主な疾患
深部真菌症
ガンジタ症、アスペルギルス症、ムコール症など
皮下真菌症
スポロトリックス症、黒色真症など
表在性真菌症
白癬、黄癬、皮膚カンジダ症など
アレルギー疾患
気管支喘息、アレルギーなど
マイコトキシン症
アマニチン、アフラトキシンなど
出典:一般社団法人医療福祉検定協会 「医療環境管理士公式テキスト&問題集」より一部抜粋
4)カビについて
カビは真菌に分類されます。