消毒・滅菌について
消毒・滅菌とは、感染源の排除
感染症対策を行う上で、適切な清掃・洗浄作業は非常に重要です。
清掃・洗浄とは、水や専用の洗剤を使用して、目に見える埃や汚れを除去することで、消毒・滅菌とは、肉眼では見えない病原微生物を除去することです。
消毒の前に、適切な清掃・洗浄が重要
清掃・洗浄をし、その後で消毒を行います。
消毒・滅菌は、埃や汚れ、特に油分が付着していると、本来消毒・滅菌したい箇所に、薬液が接触しないため、効果が発揮されません。
ですので、消毒・滅菌を行う前に、適切な清掃・洗浄を行い、その後薬液による消毒・滅菌もしくは熱湯などによる消毒・滅菌を行います。
消毒・滅菌には、化学的方法と物理的方法があります
化学的方法とは、主に薬剤を使用します。物理的方法とは、主に熱を利用します。
昔の手術の準備では、煮沸消毒が行われておりました。現在でも有効な手段であることに変わりはありません。
包丁やまな板、布巾を熱湯消毒するのは最も経済的で環境にも良い方法です。
消毒・滅菌の薬剤効果を高める3要素
前提として、薬剤がターゲットとなる病原微生物に直接触れることが条件です。
ですので、事前に適切な清掃・洗浄が重要です。薬剤は、原液を希釈して使用するものが多いです。
その際に薬剤と時間、濃度によって構成される三角形の面積によって効果が変わり、面積が大きいほど効果は高くなります。
また、塩素(次亜塩素酸ナトリウム)などは、保存時に紫外線に直射されると有効成分が減衰するため、保管についても注意が必要です。
ありがちな間違いとして、洗剤や洗浄剤と同じような使い方をされている職員が多数います。それは適切な使用方法を学んだことが無いからです。
「除菌」「殺菌」「消毒」「滅菌」の意味の違いについて
※あくまで一般的な意味の違いです。
除菌
一般的には、目的とする微生物の除去をすることを表す言葉。
製品表示おいて国の認可を必要しないため、主に雑貨品の表示に使用されます。
殺菌
特定の菌を減らす、死滅させることを表す言葉。
薬事法上の言葉であり、国の認可を受けた医薬品や医薬部外品に表示されます。
滅菌
目的とする対象物から、ほぼすべての微生物・細菌を殺滅または除去すること。
高熱や薬液などで処理などがあります。
消毒
細菌の活動を弱めること。
人体に有害な物質を除去または無害化すること。
薬事法上の言葉であり、国の認可を受けた医薬品や医薬部外品に表示されます。
消毒は、読んで字の如し、もともとは毒素を消すことを表します。滅菌は、読んで字の如し、菌を死滅することを表します。そのため、消毒・滅菌と合わせて表示を行っておりますが、現在では解りやすく「消毒」で一括りに表現している場合が多いです。