新型コロナウイルスによる景気悪化などに対処するために世界各国が行った財政出動の総額が、日本円で1400兆円あまりにのぼり、借金にあたる去年末時点の公的債務は、過去最悪の水準に膨らんだことがわかりました。
これはIMF=国際通貨基金が28日に発表したもので、新型コロナウイルスによる景気悪化などに対処するために世界各国が行った財政出動の総額は、およそ14兆ドル、日本円で1400兆円あまりにのぼりました。
この結果、借金にあたる去年末時点の世界全体の公的債務は、GDP=国内総生産の合計に対して97%を超えました。
これは、過去最悪の水準で、世界の国が1年間に作り出す富とほぼ同じ規模まで借金が積み上がったことを示しています。
国別の債務比率は日本が258%と突出していて、アメリカが128%、ドイツは70%、中国が65%となっています。
また、新型コロナウイルスに関連した財政出動は今後も継続されるとみられ、ことし末には世界全体の公的債務はGDPに対して99%まで達する見通しだとしています。
IMFは、危機に対応した各国の巨額の財政出動を評価する一方で、中期的には、財政悪化への対処が必要になると指摘しています。