2020/05/06【新型コロナウイルス:COVID-19】英の専門家会議メンバー、ソーシャル・ディスタンス無視で辞任 /イギリス
外出制限中のイギリスで、新型コロナウイルス対策に影響力を持つ科学者が、交際相手を家に招いていたことが問題視され、専門家会議を辞任しました。
イギリスのテレグラフ紙によりますと、政府の専門家会議のメンバーで、ロンドンのインペリアル・カレッジのニール・ファーガソン教授(51)は、3月下旬にイギリス全土で外出制限措置が取られて以降、少なくとも2度、交際相手の既婚女性(38)を自宅に招き入れていました。同居していない人を家に入れると、現行の政府のガイドラインに違反することになります。
ファーガソン教授はテレグラフ紙の取材に対して、「自分は新型コロナの陽性反応が出て2週間自主隔離していたので、免疫があると考えていた」と釈明しつつ、「判断ミスをして間違った行動をとってしまった」として、専門家会議から辞任すると表明しました。
ファーガソン教授は、政府が比較的ゆるい新型コロナ対策をとっていた3月中旬に、「このままだと25万人が死ぬ」とするモデルを示し、ロックダウン(都市封鎖)を主張。外出制限や店舗の営業停止など、政策の転換に大きな影響を与えたと見られています。それだけに、今回の一件に対する国民の反発は避けられそうにありません。
一方で、イギリスの新型コロナでの死者数がヨーロッパで最悪となり、週末には、ジョンソン首相がいわゆる出口戦略を示すというタイミングでロックダウン推進派の教授のスキャンダルが報じられたことは、様々な憶測も呼びそうです。