新型コロナウイルスの影響で人が集まる法要を取りやめる動きが広がる中、テレビ会議システムを使って自宅にいながら法要を行える「オンライン法要」の取り組みが始まっています。
全国の僧侶らで作る「法要普及協会」は、感染拡大を受けて先月から「オンライン法要」を試験的に行っていて、7日から本格的にサービスを始めました。
宮城県に住む刈谷慶子さんは5日、墓がある埼玉県の寺で母親の四十九日の法要を開く予定でしたが、感染を避けるため親族を集めるのを控え「オンライン法要」にしました。
利用者にはタブレット端末が3台まで無料で貸し出され、寺にいる僧侶らと画面越しにやり取りしながら、法要の様子をリアルタイムで見ることができます。
刈谷さんは夫や娘とともに、自宅でタブレットを見ながら僧侶らの読経に合わせて唱和するなどして母親を供養し、およそ1時間の法要を終えました。
刈谷さんは「オンラインで簡単に済ませてしまって申し訳ないという気持ちがありましたが、実際には寺の本堂で行う法要とほとんど変わりなく、ちゃんと供養できたと思います」と話していました。
「法要普及協会」の小池瑛士理事長は「今は感染が心配される状況ですが、法要は亡くなった人と向き合う大切な機会なので、自宅にいても法要を行えるようサポートしていきたい」と話していました。
法要の様子 動画投稿サイトや電話越しでも
「オンライン法要」の取り組みは、テレビ会議システムを利用するものだけでなく、さまざまな形で広がっています。
いつでも視聴できるよう、法要を行ったあとにその動画を動画投稿サイトにアップするもののほか、スマートフォンやタブレット端末などのIT機器の操作が難しいお年寄り向けに、電話越しに読経や法話を届けるものもあります。
感染が収まらず事態が長期化する中、こうしたサービスを利用する人が増えていて、テレビ会議システムを使った「法要普及協会」のオンライン法要には、今月だけですでに10件の申し込みがあるということです。