新型コロナウイルスの影響で収入が減った人からは「住宅ローンを払えない」という相談が関係機関に相次いでいます。住宅金融支援機構では返済期間を延長して月々の返済額を減らすなどの対応を始めました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業が従業員を解雇したり勤務時間を減らしたりする動きが広がり、収入が不安定になる人が多くなっています。
住宅ローンを扱う住宅金融支援機構によりますと、支払いに関する相談件数はことし2月はおよそ20件でしたが、先月はおよそ200件、今月はすでにおよそ1200件と急増しています。
具体的には「今月分の支払いを1か月ほど待ってほしい」「今後収入が減ることが心配なので、ボーナスでの返済を取りやめたい」などとして、計画どおりローンを払えないことを切実に訴える内容が多いということです。
住宅ローンの相談にあたっている東京都内の会社にも問い合わせが相次ぎ、中には支払いの見通しが立たず自宅を売却することを検討する人も出ています。
住宅金融支援機構は、勤務先の業績悪化で収入が減った人などについて最長で15年返済期間を延長し、月々の返済額を減らすなどの対応を始めていて、担当者は「今後さらに深刻な事態になることも予想される」と話しています。
自宅売却検討の男性「今の収入を考えると…」
住宅ローンを払える見通しが立たず、自宅の売却を検討している人もいます。
横浜市の一軒家に家族と住む30歳男性は、3年前、中古の住宅をおよそ3000万円で購入し、35年ローンで月々返済することにしました。
男性は携帯電話の販売店に勤務していて、給料の手取りは月におよそ30万円でした。
ローンの返済額は毎月10万円余りで、これまで返済が滞ることはありませんでしたが、新型コロナウイルスの影響で勤務先店舗の営業時間が短くなり。給料が大幅に減ったといいます。
今は家を売って賃貸の部屋に引っ越すことを考え始めています。
男性は「家族もいるし愛着のある家なので、できるかぎり手放したくないが、今の収入を考えるとかなり厳しい状況だ」話していました。
住宅ローンに関する相談の対応にあたっている会社の富永順三代表は「住宅ローンは毎月必ず払わなければならない固定費なので、収入が減ると家計を直撃する。支払いができないからといってさらに別の借金をすると多重債務に陥るおそれがあるので、まずはローンを組んでいる金融機関などに率直に相談してほしい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/…/20200429/k10012409961000.html