2017/10/19【災害】自然災害・疫病・人為ミス・小惑星など、かつて地球を危機に陥れた12の事象

地球上ではこれまでに何度となく絶体絶命の危機に直面している。地震、火山噴火はもちろん、疫病の流行、戦争の危機から隕石の衝突まで様々だ。
そして現在も国際間においての紛争やミサイル発射など、脅威の最中にある。
【 ダマスカスミサイル事故(1980年)】
米アーカンソー州ダマスカス北部のタイタンII発射複合施設374-7(Titan II Launch Complex 374-7)は、核ミサイル「タイタンII」の発射施設であった。
1980年9月19日、定期検査を行う空軍の整備士が、重量のあるレンチソケットをミサイルサイロに落としてしまう。落下したソケットはミサイルに当たり、圧縮燃料タンクから燃料が漏れ出した。
直ちに避難勧告が出され、修理チームが結成されるが、時すでに遅しであった。8時間後にミサイルが爆発、サイロは破壊され、強化コンクリートと鋼でできた740トンのハッチを60メートル上空に吹き飛ばし、さらに死者1名、負傷者21名を出した。
不幸中の幸いは、9メガトンの核弾頭を180メートルも吹き飛ばしながら、起爆まではさせなかったことだろう。
【 スペイン風邪(1918年)】
1918年、スペイン風邪が猛威を振るい、5億人が感染、当時の地球の人口の3〜5パーセントにあたる4000万人が亡くなった。
ちょうど第一次世界大戦勃発後のことであり、まずヨーロッパで流行すると、次いで感染した帰還兵によって米国とアジアの一部に広まった。犠牲者の多くは若く、感染がなければ健康な人たちであった。
当時有効な治療法はなく、その影響で米国国民の平均寿命が10年縮まるほどだった。後の研究によれば、スペイン風邪はインフルエンザの特に強力な株で、肺に感染し、重度の肺炎を引き起こすことが判明している。
【ペストの流行(1346年から1351年)】
文明史上最悪級の疫病の流行だった。推定では1346年から1351年にかけておよそ2億人が命を落としており、地球上の人口を大幅に減少させた。
原因については諸説あるが、商人によってユーラシアからヨーロッパまで広まっていたクマネズミのノミが媒介したと考えられることが多い。その症状について正確な記述は少ないが、鼠蹊部や首のリンパ節が腫れ、高熱が発生したと伝えられている。大流行した恐怖の5年間、ヨーロッパはパニックに陥り、医者ですら患者の診察を拒んだという。
【タンボラ山の噴火(1815年)】
1815年4月、インドネシアのタンボラ山の噴火によって”夏のない年”が始まった。記録史上最大の噴火で、数秒のうちに71,000人が死亡し、さらに噴火の影響で異常気象が発生した。
世界中で多くの餓死者を出した19世紀の深刻な飢饉はこの噴火が直接の原因である。火山爆発指数(VEI)では7を記録。1883年のクラカタウの噴火は6とされているが、それですら64キロ先にいた船乗りの鼓膜を破り、4800キロ先まで音が響いたという。タンボラの噴火はその10倍のエネルギーであると推定されている。
【華県地震(1556年)】
中国陝西省華県で1556年1月23日に発生した地震では100万人近くの人々が犠牲になった。震源地は西安付近で、マグニチュードは8.0〜8.3と推定されている。
地割れ、地滑り、隆起、液状化といった現象が発生し、被災地の城壁や家屋は軒並み倒壊。また余震も数日間にわたり続いたという。これよりも大きな地震はほかにも発生しているが、華県地震は人口が密集した地域で起きたことが災いし、史上最も死者を出した地震の一つだと考えられている。
【コンピューターの誤作動(1980年)】
1980年6月3日、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)のコンピューター画面にミサイル2発が発射されたという警告が表示された。だが2発だったはずのミサイルは、突如200発に増加、現場は騒然とした。
知らせを受けた大統領は、直ちに軍高官を招集。第三次世界大戦が始まろうとしていた。核爆弾を搭載した爆撃機が滑走路へ向かい、ミサイル発射施設でも準備が進められた。が、そこで実は誤報であったことが判明。原因はコンピューターチップの故障だった。
それは1つ50セント(当時の為替平均は約261〜203円/ドル)にも満たないチップであった。
【冷戦最中の侵入者(1962年)】
1962年10月、冷戦の最中、米ミネソタ州ダルースセクター司令所の衛兵がフェンスをよじ登る人影を発見した。すぐさま脱走警報を鳴らして周辺の空軍基地に知らせるが、どういうわけかボルクフィールドでは攻撃警報が作動してしまう。最悪だったのがそのタイミングである。実はこの時ちょうどキューバ危機の最中にあったのだ。
当然、米軍の緊張は最高潮に達した。迎撃体制が整えられ、核武装したF-106A編隊が離陸へ向けて動き出した。ダルースからボルクフィールドに誤報である旨が通知された時、F-106Aはすでに滑走路にいた。そこへ職員の1人が車で大慌てで乗りつけ、どうにか離陸を食い止めたのである。
【戦争ゲームのデータがもとであわや大惨事(1979年)】
1979年11月9日、アメリカにおいて国防総省、NORAD、戦略航空軍団の関係者は信じられないといった様子でスクリーンに表示されたソ連の核ミサイル信号を見つめていた。
軍はわずか6分でソ連との全面核戦争への準備を整えると、弾道ミサイルを予備発射フェイズへ移行させ、さらに核を搭載したB-52爆撃機を発進させた。
だが大統領が指令センターへ到着した頃、技師の1人が、ソ連の攻撃は最近プレイした某ゲームのシナリオに似ていることに気づく。
当時、ミサイル防衛と警報システムは旧式のテープによって保存されていた。どこかおかしいと思ったその技師がデータを確認してみると、うっかり戦争ゲームのデータをシステムにロードしてしまっていたことが判明した。
【世界を滅亡させかけたスパイ(1962年)】
KGBに所属していたオレグ・ペンコフスキーは二重スパイだった。核攻撃の危険があればイギリスとアメリカに警告する任務を負っていた。
1962年11月、CIAとMI6がペンコフスキーからの通信を受け取る。英国は誤報であると信じなかったが、CIAは確信が持てず、真偽を確かめるべく捜査官を潜入させた。
ところが到着早々、待ち構えていたKGBによって彼らは逮捕される。CIAには、ソ連がスパイを捕まえるためだけに戦争のリスクを冒すとは信じられなかった。
どうやらペンコフスキーはKGBに逮捕されており、処刑されることを知って、祖国を道連れにしよう決意したらしい。彼の行動は、西側にソ連へ向けて核ミサイルを発射させようとした最後のあがきであったのだ。
【新型細菌による環境危機(1992年)】
ヨーロッパの某バイオテクノロジー企業がクレブシエラ・プランチコラの変種である新型細菌を開発。この細菌は食品廃棄物をエタノール燃料に転換するために作られたものだ。米環境保護庁は殺菌土を用いて細菌を綿密に調査し、人体や環境に安全であるらしいことを確認した。
ところがオレゴン州立大学のエレーヌ・インガム教授が非殺菌土で実験してみたところ、細菌はあっという間に増殖しながら、あらゆる植物を殺し続けるという結果が得られた。環境保護庁にとっては大失態だが、インガム教授はこの功績により微生物学者としての名を上げた。彼女という救世主がいたことは一般にはほとんど知られていない。
【強力な太陽嵐、キャリントンイベント(1859年)】
1859年、太陽の黒点で強力な太陽嵐が発生し、通信網を一網打尽にした。これを英国の天文学者の名にちなみ「キャリントンイベント」という。
太陽嵐のエネルギーは原爆の100億個分に相当し、それが発生した時、夜だというのに屋外で新聞を読めるほど夜空が明るく輝いたという。またキューバやホノルルのような低緯度の地域でもオーロラが観測された。
仮に同様の太陽嵐が今地球を直撃すれば、発電所、下水処理場、人工衛星、携帯電話などのインフラが被るダメージは試算不能なほどだという。
【ボニージャ彗星(1883年)】
1883年、地球のわずか640キロ先というすれすれを無数の彗星の破片がかすめていった。発見者ホセ・ボニージャの名からボニージャ彗星と呼ばれるそれは、太陽の前で崩壊し、そのまま地球に飛来した。
最近の調査からはそれが本当に危なかったことが判明している。彗星の重量は数十億トンと推測されており、砕けた破片の大きさは45メートルから4キロもあった。仮に地球に落ちたら最も小さな破片でさえ、地球に命中していれば原爆数個分の威力があったはずだ。それが無数に飛来したのである。最大クラスの破片なら1つでも壊滅的なダメージを与えたことだろう。

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