2018/02/27【梅毒】梅毒患者、徳島県内で急増 県が検査呼び掛け /徳島県
「梅毒」や「淋(りん)菌感染症(淋病)」といった性感染症(STD)が徳島県内で増加傾向にあることが、県がまとめた2017年の感染症発生動向調査で分かった。特に全国的に増えている梅毒は県内でも急増しており、5年前の12年に1人だった患者数は14人(男9人、女5人)に上った。梅毒は感染初期の自覚症状がほとんどないため、県は「不安な人は早期検査を」と呼び掛けている。
梅毒は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」に基づき、診断した医師が全ての患者を保健所に届け出なければならない全数把握感染症の一つ。県感染症・疾病対策室によると、08~15年は1~3人で推移していた患者数は16年に11人と一気に増加。17年はさらに3人増えて14人となった。
14人の年代別の内訳は20代が5人、30代が4人、10代と40代、50代、60代、80代が各1人で、20~30代の若年層を中心に感染が広がっている。感染場所のほとんどが徳島県内とみられる。
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が原因で起きる感染症。性器と性器、性器と口などの接触によって感染する。早期に治療をすれば完治するが、放置して進行すると脳や心臓に合併症を引き起こして死に至る場合もある。予防にはコンドームの適切な使用が有効だという。
梅毒のほか、全数把握感染症に指定されている後天性免疫不全症候群(AIDS=エイズ)の17年の県内患者数は5人(前年比1人減)。県内6医療機関から患者が報告される淋菌感染症は60人(8人増)だった。
梅毒とエイズは県内の各保健所で、無料検査を受けることができる。県感染症・疾病対策室は「梅毒は早期発見、早期治療が重要。不安な人は早めに検査し、もし感染が分かった場合はできるだけ早く、パートナーにも知らせてほしい」としている。