アレルギーの主な種類について
アレルギーとは
免疫と深い関係があり、免疫機能の過剰な反応によるものです。
免疫とは、抗原(病原体)を撃退するシステムで、1度目の侵入により抗体を作り、2度目以降は発症しない、もしくは重症化させないなどの仕組みです。
ところが、無害であるはずの食物や花粉にまで免疫機能が過剰に反応してしまい、身体にとって都合の悪い反応を起こします。
簡単にいってしまえば、免疫システムのエラーです。
アレルギー体質になる原因
アレルギー疾患が激増する要因に、戦後の日本人の生活の変化が大きく影響しています。
1)住まいの変化
昔の日本家屋は隙間風も多い木造の家でしたが、建材の変化によりコンクリートやアルミサッシなどの耐熱材をたくさん使い、気密性能が高いマンションやオフィスが作られるようになり、一年中快適な生活が出来るようになりましたが、その結果、アレルゲンとなるダニの増加やカビの増殖へ、建材に使用される揮発性有機化合物(VOC)を多く吸い込むなどのアレルギー体質へのつながる要因が増加しました。
2)食の変化
野菜と魚中心であった日本の食は、戦後以降の食の欧米化により大きく変化し、栄養バランスの乱れへと繋がりました。
3)アレルギーを持った親からの遺伝
アレルギーは親からの遺伝による影響はかなり高い確率と言われております。
両親がアレルギーを持っている場合は50%、片方の親がアレルギーを持っている場合は30%の確率で遺伝すると言われております。
先天性のアレルギー疾患をもっていない方でも、生活環境によりアレルギー疾患を持ってしまった場合であっても、その子への遺伝へと繋がります。
4)その他の可能性
昔の日本人の腸内にはサナダムシがいた時代がありました。
公衆衛生の向上により日本人の腸内からサナダムシが無くなった頃に、それまで極少数であった花粉症を発症する方が増加しました。
これはサナダムシに対して反応していたIgE抗体が、ターゲットをサナダムシから花粉症へ切り替えたことではないかと言われております。
アレルギーの種類
アレルギーの種類はIgE抗体によって起こるⅠ型から、Ⅳ型までの4種類に分けられ、それぞれ免疫機構や抗体の種類などの違いによって発症する病気も違ってきます。
また、アレルギー疾患の発症には遺伝的な体質も関わっているといわれます。
アレルギー体質・アトピー素因とよばれるもので、こういった人たちはIgE抗体がつくられやすい体質です。
Ⅰ型
疾患名
- 食物アレルギー
- アレルギー性鼻炎
- 気管支喘息
- じんましん・アトピー性皮膚炎
- アレルギー性結膜炎
- アナフィラキシー
反応
即時型
Ⅱ型
疾患名
- 自己免疫性容血性貧血
- 血小板減少症
- 顆粒球減少症
- 新生児容血性黄疸
反応
即時型
Ⅲ型
疾患名
- 血清病
- 過敏性肺炎
- ループス腎炎(慢性糸球体腎炎)
- 全身性エリテマトーデス
反応
即時型
Ⅳ型
疾患名
- 接触皮膚炎
- 結核の空洞形成
- 橋本病
- ベーチェット病
- 臓器移植後の拒絶反応や移植片対宿主病(GVHD)
- ツベルクリン反応
反応
遅延型