揮発性有機化合物(VOC)について

揮発性有機化合物(VOC)について

揮発性有機化合物(VOC)とは


VOCは揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略称で、塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤、ガソリン、シンナーなどに含まれるトルエン、キシレン、酢酸エチルなどが代表的な物質です。

製品から見て直感的には、「有機溶剤」と考えておけば良いでしょう。

大気中の光化学反応により、光化学スモッグを引き起こす原因物質の1つとされています。

環境省が実施したシミュレーションの結果、光化学オキシダントおよびSPMの目標を達成するためにはVOCについて平成22年度までに平成12年度比3割削減する必要があるとされました。

VOC排出量の発生源として、塗料、洗浄剤、接着剤、インキからのVOC排出が全体の75%を占め、業種別に見ても、塗料等を多く扱う業種からの排出が多い結果となりました。

平成12年度の揮発性有機化合物(VOC)の排出量

順位 内訳 VOC
32% 塗料
12% 燃料(蒸発ガス)
9% 印刷インキ
9% 化学品
6% 工業用洗浄剤
6% ラミネート用接着剤
4% 接着剤
4% 洗浄用シンナー
3% ドライクリーニング
10 3% 粘着剤、剥離剤
11 13% その他

特に最近では、ホルムアルデヒドによるシックハウス症候群や化学物質過敏症が社会に広く認知され、問題となっています。
(2000年度の国内排出量は、年間150万トン。)

光化学オキシダントと浮遊粒子状物質の主な原因であるとして、2004年5月26日、改正大気汚染防止法により主要な排出施設への規制が行われることとなりました。

すべてのVOCを総称する語として、総揮発性有機化合物(TVOC; Total Volatile Organic Compounds)も用いられています。

なお、ホルムアルデヒドについては、VVOCに該当するが、独自の基準を設けているケースがあるため、VOCsとは区別している場合が多いです。

厚生労働省の定める揮発性有機化合物(VOC)13項目

No 物質名 室内濃度指針値 主な発生源
トルエン 260μg/m³
(0.07ppm)
・内装材
・家具などの接着剤
・塗料
エチルベンゼン 3,800μg/m³
(0.88ppm)
・合板
・家具などの接着剤
・塗料
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120μg/m³
(7.6ppb)
・壁紙
・床材
・電線被覆
スチレン 220μg/m³
(0.05ppm)
・断熱材
・浴室ユニット
・畳心材
ホルムアルデヒド 100μg/m³
(0.08ppm)
・合板
・壁紙などの接着剤
アセトアルデヒド 48μg/m³
(0.03ppm)
・建材
・壁紙などの接着剤
キシレン 870μg/m³
(0.20ppm)
・内装材
・家具などの接着剤
・塗料
フタル酸ジ-n-ブチル 220μg/m³
(0.02ppm)
※但し小児は
0.1μg/m³
(0.007ppb)
・塗料
・顔料
・接着剤
テトラデカン 330μg/m³
(0.04ppm)
・灯油
・塗料
10 パラジクロロベンゼン 240μg/m³
(0.04ppm)
・衣類の防虫剤やトイレの芳香剤
11 ダイアジノン 0.29μg/m³
(0.02ppb)
・殺虫剤
12 クロルピリホス 1μg/m³
(0.07ppb)
・防蟻剤
13 フェノブカルブ 33μg/m³
(3.8ppb)
・シロアリ駆除剤
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