ロシア東部シベリアの中心都市ノボシビルスク近郊にある研究施設の建物で16日に爆発と火災が起きた。この施設には天然痘ウイルスの試料などが保管されているが、地元当局によると近隣住民に危険が及ぶ恐れはないという。
現場は国立ウイルス学・バイオテクノロジー研究センター。発表によると、衛生検査室の改修工事中に爆発が起きた。国営タス通信は、作業員1人がやけどを負って集中治療室に収容されたと報じている。
同通信によると、6階建てビルの5階でガスボンベが爆発した。窓ガラスが割れたものの、建物の構造に損傷はなかったという。
同センターによれば、この部屋に病原体などの危険物質は保管されていなかった。タス通信は市長の話として、生物学的脅威などの危険はないと伝えた。
同センターは1974年に設立され、冷戦中は生物兵器の開発拠点として知られた。現在は感染症のワクチンや診断法、治療法を開発する世界有数の研究施設となっている。
世界で天然痘ウイルスが保管されているのは、ここと米疾病対策センターのみ。今年2月にはエボラ出血熱ワクチンの臨床試験を完了していた。
ロシア北部では先月、ミサイル実験の失敗とみられる爆発があり、原子力企業の専門家少なくとも5人が死亡した。放射線レベルの上昇が伝えられるなかで当局の説明は二転三転し、隠ぺい工作の懸念が指摘された。
https://www.cnn.co.jp/world/35142794.html