開発中のエボラ出血熱のワクチンを健康な人に接種して、安全性を確かめる臨床試験を国内で初めて行うと東京大学の研究グループが発表しました。
エボラ出血熱は、患者の血液や体液に接触することで感染し、致死率は25%以上と高く、アフリカ中部のコンゴ民主共和国では去年8月以降およそ2200人が死亡し、WHO=世界保健機関は「公衆衛生上の緊急事態」を宣言しています。
東京大学医科学研究所の河岡義裕教授の研究グループは5日、記者会見を開き、ワクチンを人に接種する臨床試験を今月から始めると発表しました。
ワクチンは、ウイルスの増殖に関わる遺伝子を働かなくしたうえで毒性をなくしたもので、サルでは感染を防ぐ効果や安全性が確認されたとしています。
臨床試験では健康な成人男性30人を対象に2回接種して、抗体ができるかや安全性に問題がないか調べる計画です。
エボラ出血熱のワクチンは各国で開発が進められていて、先月にはアメリカの製薬会社が開発したワクチンがヨーロッパの規制当局によって承認されていて、WHOはこのワクチンの接種を感染のリスクのある国々で進めると発表しています。
国内でエボラワクチンの臨床試験が行われるのは初めてで、河岡教授は「エボラ出血熱が国内に入ってきた場合には、医療従事者などに速やかにワクチンを供給することが必要になる。国内で開発する意義は大きいと思う」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/…/20191205/k10012203121000.html