2021/05/21【新型コロナウイルス:COVID-19】ワクチン接種終了までに 早く具体的な感染防止戦略を 尾身会長

新型コロナウイルス対策を行う政府の分科会の尾身茂会長は、21日夜開かれた会見で、今後緊急事態宣言が解除されたあと、感染の再拡大を防ぐため、これまでのPCR検査やまん延防止等重点措置の在り方などを検証したうえで、早急に具体的な戦略を立てる必要があるとする考えを示しました。
西村経済再生担当大臣とともに記者会見に出席した尾身会長は緊急事態宣言について「早晩、解除を議論するタイミングが訪れる」としたうえで、高齢者などへのワクチン接種が終わるまでの間、大きな感染の再拡大=リバウンドを防ぐための戦略をあらかじめ立てておく必要があるという考えを示しました。
そのうえで、具体的に検討するべきポイントとして
▽実施できる数が増えてきたPCR検査などの戦略的な活用方法や、
▽都道府県や各自治体の間でクラスターなどについての情報を共有し、分析した内容を感染対策につなげられるようにすること、
それに
▽重点措置を適用するタイミングの見直しなどを挙げました。
尾身会長は「特に重点措置については出すタイミングが遅れると、気がついたときには感染が拡大してしまう。医療のひっ迫が再び起きるのを防ぐためにもワクチンが高齢者に行き渡るまで感染を低く抑える対策を取るべきだというのが専門家のコンセンサスだ。宣言が解除されてから戦略を立てるのでは遅く、早急に議論を進めなければならない」と述べました。
また尾身会長は、感染力が強いと指摘されているインドで広がる変異ウイルスについて「感染力が高いというのはほぼ間違いなく、国内で広がったイギリスで見つかった変異ウイルスに取って代わることもあり得ると考えている」と述べました。
そのうえで水際対策について「理想的には、入国時の停留期間を現在の6日間から14日間に延ばす対策が必要だが、物理的に難しい面もある。ただ、やれることを最大限やらないと去年と同じように海外由来のウイルスが広がることが繰り返されてしまう」と指摘し停留期間をさらに延長する必要があるとする認識を示しました。
西村経済再生相 水際対策「さらに強化すべきとの提言も」
西村経済再生担当大臣は記者会見で、緊急事態宣言の解除をめぐり「『ステージ3』を確実なものとし『ステージ2』を目指していく。対策も段階的に解除していく。インドで広がっている変異株は、英国型よりさらに感染力が高く、従来株に比べて2倍以上の感染力があると言われており、基本的対処方針でも、宣言の解除は『より慎重に総合的に判断する』と明記している」と述べました。
また、水際対策について「明らかに違反している人は、氏名の公表や国外退去を含め対応することになっており、強い措置も必要だ。分科会でも、さらに強化すべきだという提言をいただいているので、厚生労働省を中心に検討したい」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/…/20210521/k10013044981000.html

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