2021/06/11【RSウイルス】米南部でRSウイルスの感染拡大、この時期としては異例 CDCが注意喚起 /アメリカ
米疾病対策センター(CDC)は10日、呼吸器疾患を引き起こすRSウイルスの感染が南部の州で拡大しているとして、医師や医療機関に警戒を呼びかけた。
RSウイルスは肺炎を引き起こすこともあり、特に乳幼児は危険が大きい。
CDCは、急性呼吸器疾患の症状があり、新型コロナウイルス検査で陰性と判定された患者には、RSウイルスの検査を行うよう促している。医療従事者や保育所、長期療養施設の職員などは、たとえ新型コロナ検査で陰性だったとしても、症状がある場合は出勤を避ける必要があるとした。
RSウイルスは飛沫(ひまつ)や物の表面などを介して感染する。米国の1歳未満の子どもの気管支炎や肺炎の原因は同ウイルスが最も多く、慢性疾患をもつ高齢者が感染すれば重症化する恐れがある。
米国でRSウイルスのために入院する5歳未満の子どもは年間約5万8000人、死者は100~500人に上る。65歳以上の高齢者は17万7000人が入院し、1万4000人が死亡している。
RSウイルスは通常、秋から冬にかけて流行するが、新型コロナウイルスの感染が拡大している間は症例数が急減していた。
しかし3月下旬以降、全米のウイルスサーベイランスシステムに寄せられる同ウイルスの検出報告が増えているという。
感染が拡大しているのはアラバマ、フロリダ、ジョージア、ケンタッキー、ミシシッピ、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テネシー、アーカンソー、ルイジアナ、ニューメキシコ、オクラホマ、テキサスの各州。
CDCによると、2020~21年の冬の間はRSウイルスが減ったため、乳幼児は過去15カ月の間、通常のレベルのRSウイルスにさらされなかった可能性が大きい。このためRSウイルスに関連した重症疾患のリスクが高まっているという。
https://www.cnn.co.jp/usa/35172215.html