2021/09/30【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナ・第6波どう備えるか? 感染症スペシャリスト 大阪大学 忽那教授に聞く!
大阪府は30日、新たに264人が新型コロナウイルスに感染、3人が亡くなったと発表しました。重症者は新たに4人を加え126人、自宅療養者は2127人、宿泊療養者は725人となりました。感染者は大幅に減少する一方で、第6波への懸念も高まる中、ウィズコロナの生活を私たちはどう送ればいいのか?感染症のスペシャリストに聞きました。
Q:感染者数は減少していますが、現在の感染状況をどのように見ている?
【大阪大学大学院 忽那賢志教授】
「8月中旬くらいから減少傾向になって、それ以降は予想以上に早く減っていると思う。順調に減っていることはとてもいいことと思う」
Q:第5波は第4波と比べて、感染者の数を多かったですが、重症者、亡くなった方が低く抑えられています。これについての評価は?
【大阪大学大学院 忽那賢志教授】
「第5波で得られた知見として一番大切なポイントだと思う。今までと比べ高齢者の重症化する割合が下がっている。ワクチン接種をした人で重症化する人が減っているということ。ワクチンを打てば、重症化しにくいことが改めて分かった。コロナが人類にとっての脅威という状況ではなくなっていると思う」
しかし、確実に来るという第6波。感染の波を抑えるために必要な対策とはー
【大阪大学大学院 忽那賢志教授】
「感染者に占める重症者の数は減って、軽症・中等症の人が増える。今後は軽症・中等症の人の病床確保、療養施設を増やすなど対応が必要になる」
大阪府では30日、3か所目となるコロナ患者専門の病院が、大阪市住吉区の阪和住吉総合病院に開設されました。病床数は55床で主に中等症の患者を受け入れます。
【阪和住吉総合病院 矢田豊特任院長】
「第5波で病床がひっ迫する経験をした。第6波がどこまでのピークが来るかわからないが、このタイミングで完全な体制を整えることが重要」
さらに、忽那教授が監修を務める大規模療養施設が住之江区のインテックス大阪に
開設されました。主に、軽症の患者1000人を受け入れることができます。
【大阪大学大学院 忽那賢志教授】
「自宅で様子を見るには家庭内感染が心配。すぐ連絡が取れる人が周りにいないから自分が具合悪くなった時に不安という人がいる。そういう方向けにいわば避難所のような施設があった方がいい。すぐ医療者が対応できる意味でも大規模療養施設は役立つと思っている」
新規感染者向けの病床確保が進む一方で、増えているのが感染後の後遺症に悩む人です。
Q:後遺症の相談が増えているということですが、後遺症について忽那教授が心配している点は?
【大阪大学大学院 忽那賢志教授】
「後遺症は重症だった人が起こりやすいと言われているが、軽症者や若い人で起こる。後遺症に悩む人が増えて生活の質が落ちる症状なので、社会に大きな影響が及ぶと思う。倦怠感の頻度が高い、集中力低下・記憶障害・うつも、まれではない症状として報告されている。後遺症の人が増えると労働人口など社会的な影響が出てくることが懸念される。根本的には感染を防ぐしかないが、ワクチン接種を2回完了していれば感染しても後遺症は出にくいという報告も出ている。後遺症を防ぐためにもワクチン接種は大事」
30日をもって、緊急事態宣言が解除となり、さまざまな要請が緩和されます。
【大阪大学大学院 忽那賢志教授】
「感染者数は順調に減っているので解除の判断は理解できる。一方で重症者数などをみると決して通常の医療が提供できる体制まで戻っていない。一気に緩めるというより慎重に段階的に解除していく。緩めて増えていないかを確認して、もう少し解除して大丈夫…というのを確認しながら緩めていくのが一番安全」
ただ、私たちがするべき対策は、これまでと何も変わらないと言います。
【大阪大学大学院 忽那賢志教授】
「宣言解除で感染対策をしなくていいということではなく、基本的な対策は続ける、3密を避ける、マスクをつける、手洗いという基本的なことは緊急事態宣言に関係なく必要だと今一度知っておいてほしい」
https://news.yahoo.co.jp/…/03d4d86b9b4e3d56e03ee07dffb1…