青森県十和田市焼山地区の国道沿いで猛毒の「ドクササコ」とみられるキノコが見つかったことが7日、分かった。鑑定した専門家によると、県内で正式に確認されたのは初めてで、誤って食べないよう注意を呼び掛けている。
厚生労働省のホームページなどによると、ドクササコはキシメジ科で、かさの大きさは5~10センチの中型。橙褐色から黄褐色で中央部がくぼみ、成長するとじょうご形になる。広葉樹林や竹やぶに生え、食用のナラタケやアカハツ、チチタケなどと間違えられる。
神経系の食中毒の原因となり、早い場合は食後6時間程度、遅い場合は1週間ほどしてから発症。重症になると手足の先端が赤く腫れて激痛を伴い、症状は1カ月以上続く。嘔吐(おうと)など消化器系の症状は見られないという。
自然保護団体「八甲田・十和田を愛する会」の久末正明代表が9月27日、自宅近くの国道102号沿いで発見。道路とささやぶの境目辺り数カ所にまとまって生えていた。県きのこ会の工藤伸一会長は、外見上の特徴や胞子の形状、サイズなどから「精査の結果、ドクササコと判断して間違いない」としている。
厚労省や県の統計などによると、ドクササコによる食中毒は2011~20年の10年間では全国で10件(16人)発生。新潟など日本海側に多く、青森県はまだない。時期は10月が多い。
ドクササコについての著書がある新潟・小千谷総合病院神経内科の登木口(ときぐち)進部長は「秋田、岩手でも発生が確認されているので、青森に生えていても不思議ではない。ヤケドキンともいわれ、子どもだと泣き叫ぶほどの激痛。潜伏期間が長く、ドクササコを知らないと別の病気とみなされる可能性もある」と指摘。工藤会長は「今後、本県でも注意を喚起する必要がある」と話している。
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