2021/12/01【新型コロナウイルス:COVID-19】オミクロン株の国内2例目は水際対策強化前 市中感染拡大、どう防ぐ
国内で2例目となる新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が、検疫で見つかった。政府が外国人の新規入国を停止する水際対策強化の直前に入国していた。市中感染の広がりにつなげないためには、濃厚接触者の健康観察やゲノム解析の徹底がカギとなる。
厚生労働省は2例目の男性と同じ飛行機に乗った114人全員を濃厚接触者としたが、このうち104人は自宅待機となっている。感染リスクが比較的低いとされる国・地域から入国しているためだ。厚労省は、より管理の目が届く宿泊施設に滞在させるように都道府県に求めていく。
検疫で陽性になった検体のゲノム解析には通常4~5日かかり、濃厚接触者への対応が遅れる可能性がある。今回の男性も、コロナ陽性の判明からオミクロン株の判明までに4日間のタイムラグがあった。
より早く判定するため、国立感染症研究所はオミクロン株を判定できるPCR検査を準備中だ。整い次第、自治体に使ってもらう。この「PCRスクリーニング」は、今夏にデルタ株が広がった際、従来株からの置き換わりの把握や予想に大きく貢献した。
新型コロナウイルス対策を厚労省に助言する専門家組織は1日、会合を開いた。座長の脇田隆字・感染研所長は会見で、「オミクロン株かどうかに関わらず、年末年始を迎え、接触や移動の機会が増える。気温が下がり、屋内での活動が増える。今後、感染は拡大する可能性が高い」と指摘。検疫以外でも「今後、国内(の市中)で見つかる可能性も否定できない」として、基本的な感染対策の徹底を呼びかけた。全国の感染状況は昨年夏以降で最も低い水準が続いているという。