2022/01/14【研究報告】新型コロナウイルス、空中で20分後には感染力の大部分失う-英大調査 /イギリス

英ブリストル大学のエアロゾル研究センターの調査によれば、新型コロナウイルスは吐き出された後間もなく感染力のほとんどを失い、長距離では伝染する可能性が低下する。
ウイルスの吐き出された後の動きをシミュレーションした同研究では、空中に浮遊してから20分後には、伝染する能力の90%を失う。感染力喪失の大半は空中に達してから最初の5分間で起こることが分かったという。
欧州では新型コロナウイルスがエンデミック(地域的流行)局面に移行したとの議論が一部の国で始まっており、ウイルスの空中移動を巡る洞察は封じ込め措置の指針として役立ちそうだ。査読前の今回の研究結果は、ウイルスが主に近い距離で伝染するとの考え方を補強するものであり、感染抑制手段としてのソーシャルディスタンスとマスク着用の措置を新たに支える。
英国の研究者らは新型コロナの3種類の変異株に重点を置いており、最近流行しているオミクロン株は含まれていないが、他の変異株が異なる動きを見せるとは予想していないとしている。
研究センターのディレクター、ジョナサン・リード氏は、研究について11日に最初に報じた英紙ガーディアンに対し、「さらに遠くに移動すると、エアロゾルが希薄化するだけでなく、ウイルスが(時間の経過の結果)感染力を失うため、感染性の高いウイルスも少なくなる」とインタビューで述べた。
調査結果からは、ウイルス粒子が肺の中の二酸化炭素が豊富な湿った環境を離れた後に急速に乾燥し、他の人に感染する能力が抑えられることを示唆。空気の湿度は、これらの粒子が非活性化される速度を決定する要因であることも判明し、シャワールームではオフィスよりそのペースが鈍かったという。
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