2022/02/11【新型コロナウイルス:COVID-19】新型コロナワクチンで「胎児合併症」急増は誤り 岩手医大病院が声明、SNSで憶測拡散
岩手医科大附属病院は2022年2月21日、入院した妊婦の情報をまとめた資料に誤りがあったとして訂正を発表した。
訂正前の資料では、胎児合併症の発生数が前年より急増していたため、SNSでは「新型コロナワクチンの影響ではないか」との旨の書き込みが広く拡散していた。同病院はそうした事実はないと否定している。
■「胎児合併症が増えたという事実はありません」
岩手医大病院は医療機関向け広報誌(2022年1月号)で、MFICU(母体胎児集中治療室)の治療実績を公表した。
入院数、分娩数、早産数などとともに、胎児合併症数が示されていたが、2021年は135と例年に比べて急増していた。13年~20年は一桁が大半で、最多で10だった。
ツイッターでは、新型コロナワクチンと結び付けて不安視する投稿が広まった。中には5000以上リツイート(拡散)される書き込みもあり、憶測を呼んでいた。
岩手医大病院は21日、病院長と総合周産期母子医療センター長名義で公式サイトにコメントを発表し、数値は誤りだとした。広報誌のデータ版がサイトに掲載されていたが、修正したという。訂正後の数値は21となっている。
憶測については「新型コロナワクチン接種を受けた後に胎児合併症が増えたという事実はありません」と否定し、「私たちの記事を取り上げ誤りに気付かせてくださった方々に感謝申し上げます。このたびはまことに申し訳ございませんでした。誤った記載内容に心をお痛めになった皆様にお詫び申し上げて記事を訂正します」としている。
厚生労働省は、妊娠中や授乳中でも新型コロナワクチン接種を推奨している。日本で承認されているワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすとの報告はないとしている。