2020/06/16【新型コロナウイルス:COVID-19】北京のコロナ拡大にサーモン原因説 WHO「検証必要」 /中国
世界保健機関(WHO)は15日、中国・北京市で発生した新型コロナウイルスの集団感染で輸入サーモンがウイルスを媒介したとの説について、検証する必要があるとの見解を示した。中国当局と密に連携して状況把握に努めるとした。
北京市では11日に約2カ月ぶりに新たな感染者が見つかった。食品卸売市場と関係しており、その後の市場関係者の検査で集団感染が判明した。中国メディアによると、ウイルスは輸入サーモンを切ったまな板から検出された。サーモンが媒介したのか、まな板に付着していたかは不明だ。
WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は感染源がサーモンとする説について「第1の仮説と確信はしていないが、何が起きたかを理解するため検証する必要がある」と指摘した。専門家の間では、魚がウイルスを運ぶ可能性は低いとの見方が多い。
WHOによると、北京市の新規感染者で死者は確認されていない。ただ、北京市内の日本料理店は軒並みサーモンの提供をとりやめ、スーパーも販売を中止するなど影響が広がっている。集団感染を受け、北京市は再び厳戒態勢を敷いている。ロイター通信によると、中国は欧州からのサーモン輸入を一時中止したもようだ。
世界全体では、新型コロナの感染は途上国を中心に勢いを増している。WHOのテドロス事務局長は「この2週間は、ほぼ毎日10万人以上の新しい感染者が見つかっている」と報告した。流行がひとまず落ち着いた国も「再発の可能性に警戒しなければならない」と訴えた。