・感染2カ月後も出血リスク、70日間は脚の深部に血栓症発症しやすい
・肺塞栓症の危険性、感染から約4カ月間は著しく高い
新型コロナウイルスに感染し、症状が軽症だったとしても、深刻な出血や最悪の場合には死に至る血栓症を引き起こすリスクが感染から数カ月経っても高いことが、スウェーデンの研究調査で報告された。
新型コロナ感染後の血栓症リスクは知られているが、そのリスクが続く期間やリスクを抑える方法についてはあまり明確に分かっていなかった。研究者らは、スウェーデンで2020年2月から21年5月までに感染した100万人と感染しなかった400万人との医療記録を比較した。
陽性が確認されてから2カ月後も出血がある確率は比較的高く、感染から70日間は脚の深部に血栓症を発症する重大なリスクがあるという。血栓が肺に運ばれて血管が詰まり、死に至ることもある肺塞栓症のリスクは感染から約4カ月間では著しく高かったことも報告された。報告書は英医療誌BMJに掲載された。
研究者らは、血栓を防ぐには特にリスクの高い患者向けに抗凝血剤を使用するべきであることが裏付けられ、ワクチンの必要性も強く示されたと結論づけた。調査では時間の経過とともにリスクが低下したことも明らかになった。