1日から水際対策が緩和され、入国者の上限が2万人に倍増しました。新型コロナの感染状況に改善がみられる一方で、欧米で異例の感染報告が相次ぐ「サル痘」に警戒が高まっています。
プーケットから帰国:「プーケット、お店もまだ半分くらい閉まっていて、インドとアラブのお客さんがすごく多かった」「(Q.楽しかったですか?)すごく楽しかった」
3年ぶりのプーケット旅行…。1日朝、水際対策が緩和された成田空港は大きな荷物を持った人たちでにぎわっていました。
今回、空港検疫では世界各国を感染リスクが高い順に「赤」「黄色」「青」3つのグループに分けています。
アメリカやイギリスなど98の国と地域は、ワクチンを打っていなくても、入国時の検査や自宅待機が免除となります。
必要なのは、出国前の陰性証明書のみ。
ミャンマーからタイ経由で帰国:「アプリをチラ見せしただけで、すんなり入国できました。それ以前にもPCR検査最盛期にも入国したことがある。その時は全部出るのに2時間くらいかかった」
こうして入国が緩和されていくなか、懸念されるのが欧米で感染が確認されている「サル痘」です。
WHO(世界保健機関)によると、サル痘の患者はこれまでに世界30カ国で550人以上、報告されています。
これまでにサル痘が流行したアフリカ大陸の国々への航歴のない患者が相次いで報告されていて、イギリスでは先月30日の月曜日、新たに71人の感染が確認されました。
岡山理科大学獣医学部・森川茂教授:「今回のようにヒトからヒトにどんどん感染が拡大するという事例はアフリカ以外では初めてになります。それがなぜ起きているかについては分からない」
■感染が拡大するサル痘…。どんな病気なのでしょうか。
サル痘は発熱・頭痛などの症状や顔や体にぷつぷつと発疹が出るのが特徴で、WHOによると、子どもや妊婦、基礎疾患がある人は、重症化する場合もあるといいます。
岡山理科大学獣医学部・森川茂教授:「場合によっては肺炎を起こしたり、免疫が落ちるので、細菌やその他の病原体の二次感染で症状が悪化して亡くなるケースがあると言われている」
サル痘は天然痘に近いウイルスで、天然痘は1980年に根絶宣言が出されています。
WHO・サル痘の技術指導者、ロザムンド・ルイス氏:「天然痘が根絶されたため、世界の人々がウイルスに対して免疫がないので、ウイルスが隙を狙って、人々のなかでより簡単に感染が広がるかもしれません」
天然痘はいったん根絶されたため、日本国内でワクチンを打った人も少なくなっています。水際対策が緩和されるなか、検疫でどの程度防ぐことができるのでしょうか。
岡山理科大学獣医学部・森川茂教授:「(サル痘は)具合が悪くなるまではウイルスがほとんど排出されていないので、コロナみたいな検査をやって分かるかというと、恐らく分からない。今流行しているのが西アフリカ型で、通常の人が発症した場合は重症化しにくいだろうと。せっけんとか消毒アルコールでウイルスが死にますので、リスクは下げられるだろうと」
10日からは、外国人観光客の受け入れも条件付きで再開されます。
成田空港検疫所・得津馨所長:「コロナ以外にも検疫感染症ございますので、そういったものもしっかり検疫所としては見て、国内への流入を抑制したい、阻止をしたい」