2022/07/01【マダニ感染症:SFTSウイルス】野生のツシマヤマネコにおけるSFTSウイルス感染確認について

令和4年5月21日(土)に捕獲・検査したツシマヤマネコ(※)の検体(血液)から、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の抗体が確認されました。野生のツシマヤマネコからSFTSウイルスに対する抗体が確認された事例は、今回が初めてとなります。今後、ツシマヤマネコ飼育個体への感染防止対策の徹底に努めてまいります。
衰弱や負傷したツシマヤマネコを見つけた際は、むやみに接近・接触せず、対馬野生生物保護センター(TEL:0920-84-5577)にご連絡ください。

1.SFTSについて

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、主にウイルスを保有しているマダニに吸血されることにより感染するダニ媒介感染症であり、多くの動物種が感染します。野生動物におけるウイルス感染後の発症頻度や致死率は不明ですが、これまで野生のシカやイノシシ、イエネコ等で感染が確認されており、ツシマヤマネコでの確認は本個体が初めての事例となります。

2.本件に関する経緯

令和4年5月21日(土)に捕獲した野生のツシマヤマネコにおいて、健康状態等の確認のため採血を行い、SFTSウイルスに関するウイルス学的検査を行ったところ、「IgG抗体」が確認されました。なお、「SFTSウイルス遺伝子」及び感染急性期に上昇する「IgM抗体」は検出されませんでした。このことから、当該個体は過去にSFTSウイルスに感染し、現在SFTSウイルスは体内から消失しているものと考えられます。

3.今後の対応

SFTS発症個体が保護又は収容された場合に備え、対馬野生生物保護センタースタッフや飼育個体への二次感染予防対策の徹底を図ります。また、ツシマヤマネコ保全のための感染症対策について専門家及び関係機関と検討していきます。
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