【条虫症】子どもが条虫症に感染した場合
条虫症とは、寄生虫による感染症の一種です。今回は、条虫症の原因や症状、治療法、予防法について解説します。
条虫症ってどんな病気? 条虫とは、俗にサナダムシと呼ばれている虫のことです。条虫症は、条虫の成虫が体内に侵入し、腸などの消化管の中に寄生することで起こる病気です。条虫には様々な種類が存在し、いずれも体長数メートルに及ぶ細長い寄生虫です。
条虫症になると、下痢や腹痛などの症状が見られることもありますが、自覚症状がないことがほとんどです。そのため、条虫症になってもなかなか気づかないこともあります。条虫症にかかると便と一緒に条虫の体の一部が出てくることがあります。
条虫症になる原因 条虫症は、条虫の幼虫が寄生した魚や肉などを生の状態や加熱が不十分な状態で食べることで感染します。主に、サケやマスなどの魚や豚肉、牛肉に寄生していることが多いといわれています。
その他にも、ノミが条虫を媒介することもあり、ノミがいるペットの体や絨毯などを子どもが舐めることで感染することもあります。
条虫症の治療方法 条虫症の疑いがある場合は、まずは便中の虫の体や卵を観察してどの条虫に感染しているのかを検査します。原因となる条虫を特定したら、プラジカンテルなどの抗寄生虫薬を服用し、体内の条虫を退治します。そして、下剤を服用して条虫を体外へと排出します。
条虫の種類によっては、抗寄生虫薬を服用するかわりに注腸造影剤を注入して治療することもあります。
条虫症の予防法 では、条虫症を予防するにはどうすればよいのでしょうか。条虫症は生の肉や魚に寄生した条虫の幼虫から感染するため、十分に加熱してから食べましょう。また、加熱以外に冷凍処理を行うことでも条虫を死滅させることができます。
条虫症は基本的に人から人へと感染することはありません。そのため、家族の一人が条虫症に感染しても隔離する必要はありません。
もしお子さんの便に細長い虫のようなものが混じっているなど、条虫症が疑われる場合は早めに病院で診てもらいましょう。条虫症はきちんと治療を行わないと腸の中で寄生し続ける恐れもあります。また、条虫(サナダムシ)にもいろいろと種類があり、すべての条虫症に共通するわけではないのでご注意ください。