【A群溶血性レンサ球菌】A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、関東で流行本格化 警報基準値上回る地域も
関東地方で、主に小児が感染して気管支炎などを起こすA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行が本格化している。5月29日から6月4日までの週の患者報告数は、東京、神奈川、千葉、群馬、茨城の5都県で今年最多を記録。警報基準値を上回る地域も出てきており、患者が増加傾向の自治体では警戒を強めている。
5月29日から6月4日までの週の小児科定点医療機関当たりの患者報告数は、千葉県で前週比26%増の4.27人、群馬県で21%増の4.14人、神奈川県で12%増の3.75人、茨城県で6%増の3.48人、東京都で1%増の3.27人となった。埼玉県は微減の4.28人、栃木県(2.0人)も若干減ったが1カ月前の1.5倍の報告数となっている。
関東地方で患者報告数が最も多い埼玉県では、春日部保健所管内で警報基準値(8.0人)に達した。同県は川越市(7.25人)、川口(7.18人)、熊谷(7.0人)の保健所管内でも「多い状況が続いている」と指摘している。
茨城県は4週連続で増えており、筑波保健所管内で警報基準値の2倍近い15.5人を記録した。群馬県でも富岡(11.5人)、桐生(8.8人)の保健所管内で警報基準値を超過しており、同県は手洗いを徹底し、感染予防に努めるよう呼び掛けている。
このほか、東京都の世田谷(7.38人)、神奈川県の平塚(6.71人)、千葉県の印旛(6.75人)などの保健所管内でも多かった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、レンサ球菌が引き起こす感染症で、気管支炎に加え、中耳炎や肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こす。主に小児の間で発生。鼻汁や唾液中の菌の飛散などで感染し、家庭や教育施設での集団感染が多い。予防法は、患者との接触を避けるほか、うがいや手洗いなどが有効とされている。
https://www.cbnews.jp/news/entry/20170609113402