【皮膚のかゆみ】皮膚科医に聞いた!日焼けをするとなぜ肌がかゆくなるのか?
海や山など、アウトドアで楽しむ機会が増える季節になった。外で遊んでいるときは夢中になっていて気が付かないが、家に帰った後や翌日、日焼けした肌にかゆみが出て困った経験はないだろうか。なぜこのような現象が起きるのか、皮膚科医に聞いてみた。
■日焼けをした後にかゆくなるのは、皮膚が炎症を起こしているから!
お話を伺ったのは皮膚科医の蘇原しのぶ先生。まずは、日焼けをするとかゆくなるメカニズムについて伺った。
「皮膚トラブルの主な原因は、炎症か感染症です。まず、日焼けをした肌というのは、火傷と同じように、肌が炎症を起こしている状態です。炎症が起きるのは、紫外線を浴びることで皮膚の水分や油分が蒸発し、乾燥することが原因。次に、炎症を起こすとなぜかゆくなるのか。かゆみというのは人の原始的な防衛反応で、身体に異常を感じると、脳がかゆみの信号を出します。皮膚に起きたトラブルの元を掻き出し、取り除こうとするんですね。身体のごく自然な反応なので、なかなか止めることは難しいです」(しのぶ先生)
原始的な防衛反応というのは、例を出すと、こしょうという異物が鼻に入り、くしゃみが出るときの反応と同じなのだそうだ。搔きむしることで皮膚の細胞が壊れ、さらにかゆくなるといった悪循環に陥るが、湿疹を治さない限り止められないのだという。
「かゆみ自体は基本的に2~3日で治まりますが、湿疹が広がってしまうと長引くこともあります。元々肌が荒れていたり、アトピー性皮膚炎の方などは特に注意が必要です」(しのぶ先生)
乾燥している肌というのは、外部からの刺激が肌の内部に入りやすい状態。健康な肌と比べると、いつ炎症が起きてもおかしくないため、こまめなケアが肝心となる。
■日焼け止めで肌荒れを起こす人はどうすればよい?
では、日焼けをして肌にかゆみを感じた場合、どういった対応をするのがベストなのか。
「基本的に火傷と一緒なので、まずは冷やして様子をみてください。また、水分・油分が失われているので、ぬるめのお湯に浸かり、しっかりと保湿することが大切です。赤くなってしまったら、薬を塗りましょう。かゆみを抑えるのはステロイド系の薬です」(しのぶ先生)
最近では高性能で肌に優しい日焼け止めも多く登場しているが、肌の弱い人は日焼け止め自体が肌に負担がかかることも。何か対策はできないのだろうか?
「かゆみが出てくるほど日に当たっている状況となると、街中ではなく海や山などのレジャーシーンですよね。やはり、長袖を着ることが最も有効だと思います。一枚着ているだけで皮膚が2倍・3倍になったのと同じ状況になりますので、負担を軽減できます。暑さ対策として、ゆったりとした通気性のよい服を着ましょう。また、黒は熱を集めるので避け、白や淡色の洋服を選んでください。また、つばの広い帽子や、襟を立てるなどちょっとした工夫も大切です」(しのぶ先生)
また、肌の弱い人は帰宅したらすぐに日焼け止めを洗い流すことも大切だ。
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