【B型肝炎】国民全員ワクチンの重要性
抗ウイルス薬の進歩により、B型肝炎の治療は格段に進歩している。課題はいかに慢性化を防ぐか。そのためにも専門医への定期的な受診は欠かせない。肝炎に詳しい東京医科歯科大学消化器内科「肝炎・肝がん撲滅外来」の朝比奈靖浩教授はこう話す。
「基本的な予防法として、不用意で危険な性行為はしないこと。不特定多数の人との交渉がリスクになる。さらにコンドームを使うこと。また、パートナーがB型肝炎ウイルスキャリアーの場合は、ワクチンによる予防もある」
1986年(昭61)の母子感染防止事業で、B型肝炎に対するワクチン接種が、B型肝炎ウイルスのキャリアー率を劇的に下げるのに役立った。とはいえ、従来は防げたはずの肝炎も、急性肝炎から慢性化へ進む確率の高いゲノタイプAが増えてきたことなどから、より十分な対策が求められている。昨年10月からは、同4月1日以降に生まれた赤ちゃん全員を対象に、B型肝炎ワクチンの定期接種が実施されている。
朝比奈教授はこうアドバイスする。「今後も国民全員がワクチンを受ける“ユニバーサルワクチネーション”という考えを、さらに進めることが重要だと思います。一方、ワクチンはあくまでもB型肝炎の予防に関することであって、エイズを始めとする他の性感染症の感染に対するリスクまでが、減るわけではありません。そして、ワクチンを打っているから危険な行為をしてもいい、ということにはならないので注意してください」。
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