2018/06/12【食品衛生】キッチンタオルで大腸菌などが増殖、食中毒の原因にも 米学会 /アメリカ
【食品衛生】キッチンタオルで大腸菌などが増殖、食中毒の原因にも 米学会 /アメリカ
台所で使うタオルには、食中毒の原因となる大腸菌などの細菌が大量に繁殖しているという調査結果が、このほど米学会で発表された。細菌の数は家族の人数が多く、肉を食べる頻度が高いほど増える傾向にあった。
研究チームは1カ月使用した後のキッチンタオルから採集した細菌を培養し、種類や増え方を調べた。その結果、普通は人の皮膚や腸内で見つかる細菌が、49%のタオルで増殖していたことが分かった。
この調査結果は、モーリシャス大学の研究チームが米微生物学会の年次会合で9日に発表した。
細菌が繁殖していた49枚のタオルのうち、ほぼ4分の3では、大腸菌や腸球菌などの腸内細菌が見つかった。残る14%からは、人の皮膚や気道で繁殖する黄色ブドウ球菌が発見された。
大腸菌などの細菌について、今回の研究にはかかわっていない米クレムソン大学の研究者は、種類によっては食中毒の原因になることもあると指摘する。
米疾病対策センター(CDC)によれば、黄色ブドウ球菌の中には、摂取されると発熱や嘔吐(おうと)、下痢といった食中毒の症状を引き起こすものもあるという。
細菌の種類や量は、家族の人数や社会経済状態、食事の内容によって異なることも分かった。
黄色ブドウ球菌は家族の人数が多く社会経済状態の低い家庭で見つかることが多く、大腸菌は肉を頻繁に食べる家庭で多く発見された。
特に子どものいる家庭では、定期的にタオルを洗濯することが大切だと研究者は指摘し、「子どもや高齢者のいる家庭では、台所の衛生状態に特に気を配る必要がある」と話している。