2019/04/10【麻疹ウイルス:はしか】NY市、はしか流行で緊急事態を宣言 /アメリカ
米ニューヨーク市のデブラシオ市長は9日、ユダヤ系住民の間ではしかの流行が拡大している事態を受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
流行の拡大を防ぐため、指定された地域で予防接種を受けていない住民は、はしかとおたふくかぜ、風疹の混合ワクチン接種を義務付けられる。
市衛生局は、感染者と接触した可能性のある人のワクチン接種歴を調査する。ワクチン接種を受けなかった場合や、接種したことを証明できない場合は、違反とみなされて1000ドルの罰金を命じられる可能性がある。
ニューヨーク市のブルックリン地区とクイーンズ地区では昨年10月にはしかの流行が始まって以来、285人の症例が報告された。ニューヨーク州のオレンジ郡でも15人、ロックランド郡では168人の感染が確認されている。
衛生当局によると、予防接種を受けていない子どもがイスラエルを訪問してはしかに感染し、そこから流行が拡大した。以後もイスラエルを訪れたブルックリンとクイーンズの住民が相次いで感染し、渡航歴のない住民にも流行が広がった。
衛生局長によると、ニューヨーク市で確認された患者285人は生後1カ月~66歳で、子どもが246人を占める。入院した21人のうち5人が集中治療を受けているという。
全米ではアリゾナ、カリフォルニアなど19州ではしかの流行が報告され、米疾病対策センターの8日の発表によれば、今年1月以来、少なくとも465人の症例が報告された。
米国は2000年にはしかの根絶を宣言したが、2014年に大規模な流行が起きて全米で667人が感染。今年の流行はこれに次ぐ規模となっている。