乳幼児がかかると肺炎などを引き起こす恐れがあるRSウイルス感染症の患者が増えている。8月26日~9月1日に全国約3000の小児科から今年最多の7673人の患者が報告された。前週の報告に比べて一気に3385人増加。国立感染症研究所(感染研)が10日発表した。専門家は警戒を呼びかけている。
感染研によると、都道府県別では、東京が616人で最も多い。福岡468人、大阪467人、神奈川423人などが続く。
RSウイルス感染症は、患者のせきやくしゃみの飛まつを吸い込んだり、ウイルスの付いた物を触ったりしてうつる。2歳になるまでに、ほぼ100%が感染するとされる。
感染してから4~6日後に発熱など風邪に似た症状が出る。肺炎のほか、気管支炎になる場合もある。予防するワクチンや治療薬はなく、点滴などをして回復を待つ。
以前は冬に患者が多かったが、2011年以降は夏から患者報告が増え始める傾向がみられている。
感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「流行の要因は不明だが、今後、拡大する恐れがある。呼吸の時にゼーゼーしたり、息が苦しそうに見えたりしたら、早めにかかりつけ医などを受診してほしい」と話している。