2020/01/09【研究報告】あおもり藍でインフル予防 弘前大と組合ら特許出願 /青森県
弘前大とあおもり藍産業協同組合、東北医科薬科大(仙台市)は8日、青森県内で農薬不使用で栽培された藍「あおもり藍」が、A型インフルエンザの発症予防に効果があることを科学的に実証し、国内特許の共同出願をしたと発表した。出願は昨年11月29日付。関係者は新たな予防製品の開発など、あおもり藍が医療・健康分野で活用されることを期待している。
あおもり藍は、青森市を中心に年間約1トン栽培されている。葉から抽出されたエキスは、衣料・革製品への藍染めや、抗菌性に着目した消臭・抗菌スプレー、せっけんなどの原材料として用いられている。
同大大学院医学研究科の中根明夫特任教授らが行った実験では、あおもり藍から抽出したエキスとインフルエンザA型ウイルスを混ぜて感染させた動物の細胞、A型ウイルスのみを感染させた細胞を培養して比較。ウイルスのみの細胞では感染性ウイルスが約6千個検出されたが、エキスを混ぜた細胞からは感染性ウイルスが検出されなかった。
また、あおもり藍のエキスは、水に溶けにくい性質を持っているため、布や不織布に含ませることで、繰り返し使用しても効果が低下しにくい製品の開発が期待できるという。弘前大など3者は、既にエキスを含ませたマスクの開発を進めており、年内の商品化を目指している。
同日、同大で会見した中根特任教授は「さらに研究を進め、インフルエンザの予防で役に立つことができたらうれしい。将来的には、医薬品の開発にもつなげたい」と話した。