アレルギー物質の表示方法について
表示・表記方法には、個別表示と一括表示がありますが、原則としては個別表示であり、個別表示が難しい場合や個別表示がなじまない場合などは一括表示が可能となっております。
なお、同じアレルギー物質名が何度も出てくる場合は、二度目以降は省略されることもあります。
アレルギー物質の表示方法
個別表示
原材料名の直後にカッコを付けて特定原材料等を含むことを表示する方法です。
表示例
・マヨネーズ(大豆・卵を含む)
・ハム(豚肉・卵を含む)
・生クリーム(乳成分を含む)
一括表示
原材料欄の最後にカッコを付けて、全ての原材料に含まれるアレルギー物質をまとめて表示する方法です。
表示例
・(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆を含む)
・(一部に小麦・卵・大豆・豚肉・ごまを含む)
アレルギー物質の表示対象外の食品例について
表示義務品目の特定原材料7品目の対象外食品例
品目 | アレルギー表示の 対象外食品例 |
えび | しゃこ類 あみ類 おきあみ類 |
かに | |
小麦 | 大麦 ライ麦 えん麦 はと麦等 |
そば | |
卵 | 魚卵 は虫類卵 昆虫卵 |
乳 | 山羊乳 めん羊乳等 |
落花生 |
表示推奨品目の特定原材料に準ずるもの20品目の対象外食品例
品目 | アレルギー表示の 対象外食品例 |
あわび | とこぶし |
いか | |
いくら | |
オレンジ | 温州みかん 夏みかん レモン グレープフルーツ |
カシューナッツ | |
キウイフルーツ | |
牛肉 | |
くるみ | |
ごま | トウゴマ エゴマ |
さけ | にじます やまめ いわな |
さば | |
ゼラチン | |
大豆 | |
鶏肉 | |
バナナ | |
豚肉 | |
まつたけ | |
もも | |
やまいも | |
りんご |
分かりづらい原材料名について
レシチン(卵由来)
卵由来または大豆由来です。
卵黄や大豆を原料としており、乳化剤として使われます。
レシチン(卵由来)と表示されている場合は卵が含まれています。レシチン(大豆由来)あるいはレシチンとだけ記載されている場合は卵は使用されていません。
卵殻カルシウム
卵由来です。
卵の殻を原料としています。多くの場合、食品への使用量は微量です。ただし、含まれている食品を摂取する場合は、医師に相談しましょう。
ホエイ
乳由来です。
牛乳に含まれるたんぱく質で、酸や酵素で固めた時に残る液体の部分(乳清)。牛乳を加熱すると表面に生じる薄い膜はこのたんぱく質です。
カゼイン
乳由来です。
牛乳に含まれる主なたんぱく質で、熱では凝固しにくいのですが、酸で固まる性質があります。カゼインナトリウムは結着性に優れているので、アイスクリームやソーセージ類、お菓子、パンなどに使われています。
乳糖
乳由来です。
牛乳に含まれる主なたんぱく質で、熱では凝固しにくいのですが、酸で固まる性質があります。カゼインナトリウムは結着性に優れているので、アイスクリームやソーセージ類、お菓子、パンなどに使われています。
乳化剤
乳ではありません。
混ざりにくい2つ以上の液体を乳液状またはクリーム状にする添加物です。「乳」という文字がありますが、卵黄・大豆・牛脂等から作られますので、乳アレルギーの原因にはなりません。
乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム
乳ではありません。
「乳」という文字がありますが、乳由来ではなく化合物ですので、乳アレルギーの原因にはなりません。食品の他に医薬品にも使用されています。
乳酸菌
乳ではありません。(菌類)
「乳」という文字がありますが乳成分ではありません。発酵によって乳酸を産生する細菌の総称で、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの乳製品の発酵によく利用されます。菌そのものは乳とは関係ありません。
カカオバター
乳ではありません。
カカオ豆の脂肪分です。乳由来のバターの種類ではありませんので、乳アレルギーの原因にはなりません。食品の他に薬品や化粧品などにも使用されています。
グルテン
小麦由来です。
小麦等の胚乳から生成されるたんぱく質の一種です。パンが膨らむのを助け、膨らみを保つ効果があります。そのため、米粉パン(米粉100%)と表示されていてもグルテンを使用している事がありますので注意が必要です。使用している場合は、原材料表示にグルテン(小麦を含む)と表示されます。
デュラムセモリナ
小麦由来です。
デュラムはグルテンが多く含まれている硬質小麦という小麦の種類の名前で、セモリナとはこの硬質小麦の中心の芯の部分だけを使用して荒く挽いた粉のことです。パスタなどに使用されます。
麦芽糖
小麦ではありません。
主にとうもろこしやじゃがいものでん粉を主原料としていますので、小麦アレルギーの原因にはなりません。水あめやビールの原料となります。
酵母
小麦ではありません。
酵母は糖分に働きかけてアルコールと炭酸ガスに分解する働きをもつ発酵菌(イースト)です。パン酵母はパンを作る時に適した酵母で、パン(小麦)の成分を含むものではありません。
分かりづらい食品例について
たんぱく加水分解物
肉、大豆、小麦、魚、とうもろこしなどのたんぱく質をペプチドからアミノ酸まで分解したもので、「うまみ調味料」として使用されます。
でんぷん(スターチ)
多糖類の一種で、水に溶いて加熱すると糊状になります。じゃがいも、葛(くず)、とうもろこし、小麦、さつま芋、米、サゴヤシ、キャッサバなどを原料に作られています。
ゼラチン
たんぱく質の一種で、水溶性のコラーゲンです。水に溶いて加熱したあと冷やすと固まります。主に牛、豚、鶏などから作られ、ゼリーなどのお菓子の他、ハム、ソーセージなどの結着剤としても使用されます。
分かりづらい添加物例について
結着剤(結着材料)
食品の形状を保ち、食感を良くするために使用されます。例えばリン酸塩やカゼインナトリウム(乳由来)などがあります。
増粘多糖類
草木・海藻などから抽出した多糖類で、増粘剤や安定剤として使われます。グァー豆、とうもろこし、じゃがいも、いなごまめなどからも作られます。粘性があるので、お菓子、ドレッシング、練り製品、アイスクリームなどに使われます。増粘多糖類の中ではグアーガム、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチンなどがよく使われます。
増粘剤
ゼラチンや増粘多糖類を原料とし、食品に粘性を与え、調整に用いられます。ソースや焼き肉のタレなどに使われます。