C型肝炎ウイルス HCV


輸血から生じる肝炎症例の大部分を、C型肝炎が占めており、高い確立で慢性化することが最も深刻な問題となっています。

特徴

C型肝炎は、季節、年齢、性別を問わず、発症します。

以前は非A型非B型といわれたものの大部分がC型肝炎といわれています。

輸血から生じる肝炎症例の大部分を、C型肝炎が占めており、高い確立で慢性化することが最も深刻な問題となっています。

主な症状

全身倦怠感、食欲不振、悪心などの症状が特徴です。

その後、黄疸が出現します。

感染経路

血液を介して感染する血液媒介型感染です。

B型感染のように母子感染や性交感染はそれほど多くはありません。

体内に大量に血液が入る輸血による感染が主です。

近年使用されている輸血や血液製剤は、輸血用血液のスクリーニングが実施されるようになり、まず感染はおこらないとされています。

その他

C型肝炎ウイルス(HCV)もHBVと同じ感染経路をたどります。

当初、非A・非B(non-A、non-B)肝炎といわれており、チンパンジーのみで感染実験が成功していました。

しかし、ウイルス分離が成功したのではなく、ひたすら遺伝子を釣り上げる技術を駆使して、実態が明らになりつつあります。

未だ有用な細胞増殖系は成功を遂げていないが、分子生物学分野の研究においては飛躍的に解明されています。

HCVは慢性化して肝硬変になりやすく、肝癌になるケースが多いです。

インターフェロンが唯一の治療薬ですが、ウイルスの遺伝子型によっては効果が現れにくく、剤型の工夫、リバビリンとの併用療法等で改善されつつあります。

HCVは変異しやすいのでワクチン開発は難しい。

現在ではHBVと同様にDNA増幅法(PCR法)でスクリーニングを行うため、輸血からの感染はおおむね消滅しましたが、国内では数百万人規模の感染者が存在します。

戦後のワクチン集団接種で同一の注射針の使用による感染拡大も含まれていると考えられます。

医療福祉従事者は血液等、体液の取扱いに注意する必要があります。

血液透析では医療従事者ばかりでなく、患者間の感染阻止にも注意を払わなければなりません。

医療現場での針刺し事故の場合は、早期のインターフェロン療法が有効です。

HBVより血中ウイルス量が少ないことに起因するのか、HIVと重複感染でない限り、HCVの母子感染は稀です。

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