細菌について
細菌は、黄色ブドウ球菌やサルモネラ、カンピロバクターなどの一般的なものから腸管出血性大腸菌(O157)やレジオネラ属菌、結核菌など、危険なものまで様々存在します。
よくウイルスと混同されている方が多いですが、ウイルスと細菌では生物としてまったく異なります。また、真菌であるカビとも異なります。
一般的に「菌」という時は、「細菌」のことを指すことが多いです。
1)細菌は自然界のいたるところに存在
自然界のいたるところに細菌は存在しており、その生育環境は菌種ごとに多岐にわたります。低温や高温、空気のない所でも生存出来るものがいます。
細菌は、細胞質にDNAが直接露出している原核生物(単細胞生物)です。細胞内小器官などは無く、真核細胞に比べて単純な構造をしています。ほとんどは自己複製能力があり、二分裂により増殖します。
ヒトに病気を引き起こす細菌を、「病原細菌」と呼びます。
2)細菌の種類と形状は大きく3つ
細菌は、その一つ一つの細胞の形状は種ごとに異なり、古くから細菌の識別同定あるいは分類の指標として用いられてきました。
細菌は、その形から球菌、桿菌(カンキン)、らせん菌に分類され、らせん菌はらせんが3回以上あるスピロヘータ、バナナ状のビブリオなどに区別されています。
(1)球菌
球菌だけでなく、腎臓形・半球形・三角状などが存在します。
桿菌にも非常に短くて球菌と似た形状があり、球菌と桿菌を見た目だけで判断するのは容易ではありません。
ほとんどの菌種は数個から数百個の細胞が集まった状態になっており、配列はレンサ、双球、四連球、八連球、ブドウの房のような形状になります。
(2)桿菌(カンキン)
桿菌の形状は、長径が短径の1.5~5倍程度のものが多いが、球菌と見分けのつかない球桿菌、短径と長径にあまり差のない短い短桿菌なども存在します。
一般的には個々の菌体がバラバラになっている場合が多いが、長軸方向に連鎖し長く連なった配列をとるもの(連鎖桿菌)があります。また、カビのように枝分かれした菌糸状の形態をとって成長する放線菌もあります。
(3)らせん菌
細長い菌体がねじれてらせん形になっています。
一部にはバナナ形やカンマ形の形をしているものもあります。一般的に両端はまるい形状です。
4)代表的な形状例
出典:一般社団法人医療福祉検定協会 「医療環境管理士公式テキスト&問題集」より一部抜粋