再興感染症について
WHO(世界保健機関)が定めた、再興感染症を整理しました。
再興感染症とは「既知の感染症で、既に公衆衛生上の問題とならない程度までに患者が減少していた感染症のうち、近年再び流行し始め、患者数が増加したもの」と定義されています。
つまり、かつては脅威であったものが、一度は制圧されたものの、再び勢いを盛り返して流行し始めた感染症です。
人類がこれまで完全に封じ込めて根絶させた感染症は、「天然痘」のみになり、それ以外の感染症については、あくまで発症の抑制や、症状を軽減させ、人体の治癒力によって体外に放出して治しており、直接的に絶対の効果のあるワクチンは存在しない為、完全な治療法が確立されているわけではありません。
一般成人が感染しても治る感染症も、抵抗力の弱っている状態の人や、乳幼児、老人が感染してしまった場合は非常に危険な状態になることがあります。
1)細菌によるもの
ペスト
ネズミが媒介
ジフテリア
飛沫感染
結核
飛沫核感染(空気感染)
サルモネラ感染症
経口感染
コレラ
経口感染
2)ウイルスによるもの
狂犬病
哺乳類(犬、コウモリ)
デング熱
ベクター感染(蚊が媒介)
黄熱
ベクター感染(蚊が媒介)
ウエストナイル熱
ベクター感染(蚊が媒介)
3)原虫によるもの
マラリア
ベクター感染(蚊が媒介)
リーシュマニア症
ベクター感染(ハエが媒介)
4)寄生虫によるもの
住血吸虫症
接触感染(幼虫が皮膚から侵入)
エキノコックス症
経口感染(キタキツネの糞)
出典:一般社団法人医療福祉検定協会 「医療環境管理士公式テキスト&問題集」より一部抜粋