RSウイルス Respiratory Syncytial Virus
乳幼児にとって、肺炎や細気管支炎等の下気道疾患の主な原因ウイルスとされています。
病原体について
パラミクソウイルス、RNAウイルスの一種で、Respiratory Syncytial Virusを略したものです。
Respiratory は「呼吸の」と言う意味で、呼吸器系のウイルスであることを示します。
特徴
RSウイルスは例年、秋から春にかけて流行する呼吸器ウイルスの一種ですが、最近では夏にも流行が見られます。
乳幼児にとって、肺炎や細気管支炎等の下気道疾患の主な原因とされています。幼児は1~2年で感染し、生涯にわたり再感染を繰り返します。
成人には風邪症状(普通感冒)程度で済むことが多いですが、慢性肺疾患、心臓疾患を有する成人や、抵抗力の弱い高齢者は重症化する事がしばしばあります。また、骨髄移植患者が感染した場合には、死亡率は70~100%と非常に高くなるので注意が必要です。
潜伏期間と感染経路
ウイルスの潜伏期間は2~8日ですが、一般的には4~6日と言われています。
鼻、咽頭の粘膜で増殖し、発症1~2日前からウイルスを放出しますが、何日間も時には数週間もウイルスを排泄します。
幼児は1~2年で感染し、生涯にわたり再感染を繰り返すことから、ワクチン開発は困難を極め、成功は難しいそうです。
生後2~6ケ月で重症細気管支炎を患う場合もあり、感染力が強いので医療従事者は感染源にならないよう注意が必要です。
院内感染については、汚染器具を介した二次感染や飛沫感染も起こり、接触感染という観点からも教育する必要があります。